講師ご紹介:後藤正美先生

第3回 耐震要素としての土壁の講師のご紹介です。

後藤正美先生は、金沢工業大学建築学科卒業、京都工芸繊維大学工芸学研究科修士課程(建築学)修了後、1983年より金沢工業大学で教鞭をとっておられます。ご専門は、木構造/耐震工学です。

当初より木造を専門とされている建築の方は、実は数少なく、ほとんどの方が1995年の阪神・淡路大震災以降にかかわられているのですが、その意味では、生え抜きの研究者の方です。秋田県立大学名誉教授の鈴木有(たもつ)先生が、金沢工業大学におられた頃に、いろいろと勉強させてもらったとのことです。

先生のひととなりは、以下の紹介記事でも読めます。

ご専門は木構造ですが、民家・町家の総合的な耐力としては、軸組とともに土壁は大変重要でありますので、今回は「耐震要素としての土壁」のご講演をお願いしました。伝統構法のねばりを評価するには、軸組の仕口のはたらきとともに、土壁のもつ柔軟性にも着目しなければなりません。そのあたりをきちんと理解し、伝統建築の今後につなげていく必要があると思っています。

また、現在、国土交通省の3か年プロジェクトである「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験 検討委員会」の実験検証部会の主査も務められています。実際の民家を大きな振動台で揺らしてみてその壊れ具合を検証するとともに、実験データを取りまとめ、実際の改修/新築でも使えるような設計基準をつくるという壮大なプロジェクトの実行責任者のおひとりでもあります。三木市Eディフェンスで行われた実大実験の様子についてはすでに公式サイトにて公開されているようです。

2/12のレクチャーでは、先の1月20日ごろに実験の様子のビデオを見せていただきながら、簡単に要点を解説していただく予定です。